コピーライティング視点の常用漢字、ひらく漢字の使い分け。

文章を書いていく場合において、

・漢字
・ひらがな


この使い分けが「読み易さ」や「印象」を左右します。

漢字が多すぎる文章や、難しい漢字を多用してしまうと、
その文章は読み難くなり、分かりにくくなると言われていますが、
あまり「ひらがな」だらけの文章も、やはり読み難いのが実情です。

では、どのくらいのレベルで「漢字」を用いていくべきなのか。

ここでは、そんな「漢字」と「ひらがな」の使い分けを解説していきます。

コピーライティング視点の常用漢字、ひらく漢字の使い分け。


まず、私がここで「文章の前提」として解説していくのは、
このようなブログ記事における文章やメールマガジンの文章など、

「不特定多数の人がウェブやメールなどを介して読む事になる文章」

を対象にしていますので、まさに、このブログのテーマでもある、
コピーライティングにおける視点での解説が基本となります。

その文章の「前提」によって、文章の在るべき形や目的も変わりますから、
それによっても漢字とひらがなを使い分ける視点は変わってくるという事です。

ただ、どのような文章にも共通して言える事としては、

・読み易い文章
・分かり易い文章


これらをしっかりと意識するのは共通する「大前提」であり、
これを疎かにしても良い文章というのは基本的に無いはずです。

その上で「漢字」には「常用漢字」とされるものがあり、

「法令文」「公用文」新聞」

などにおける文章は、この「常用漢字」のみが使われているため、
この「常用漢字」に含まれているような漢字については、
一定数の人が「読み慣れている文章」に用いられている事になります。

また、そのような背景も含めて、ネット上に多く見られるような文章も、
大抵は、その「常用漢字」の範疇で文章が構成されている傾向にあるため、

・常用漢字に含まれる漢字は用いる
・常用漢字に含まれていない漢字は用いない


というのが、1つの水準的な境界線になると思います。

(常用漢字の一覧についてはネットで容易に観覧できますので、
 あえてここで漢字をただ羅列していくだけの一覧表は載せません)


ただ「常用漢字」は、それ自体があくまでも常用的な漢字の「目安」であり、
常用漢字に含まれていない漢字を用いた文章が「不適切」というわけではなく、
また、常用漢字を「ひらがな」にする事が間違いというわけでもありません。

また、常用漢字に含まれている漢字の中には

「ひらく漢字」(漢字表記をひらがなにするべき、とされる漢字)

とされるものもあり、このような「ひらく漢字」は一般的に、
ひらいた方が(ひらがなにした方が)文章が読み易くなると言われています。

ですが、ここで挙げたような「常用漢字」や「ひらく漢字」などは、
まさに、法令文、公用文などのような、そこに書かれた文章の「全て」が、
読み手側に「滞りなく読まれる事」を前提としているものであって、
このような前提は、少なくともブログなどの文章には全く当てはまりません。

確かに一語一句、その文章が滞りなく読まれる事が前提なのであれば、

「認知度の高い漢字を適度に用いる」

といった視点で「常用漢字」「ひらく漢字」を意識した文章が、
読み手側が文章を読み進めるストレスの軽減などにも繋がると思い案す。

ですが、このようなブログやメルマガなどに用いる文章においては、

・文章が途中で読まれなくなってしまう可能性
・文章全体を「流す」ように読まれてしまう可能性


これらを前提とする「配慮」が必要不可欠であり、更にその上で、
読み手側の「反応」についてもしっかりと意識しなければなりません。

よって、ブログやメルマガなどにおける文章では、

・「文章の読み易さ」を捉える視点
・「文章への反応」を捉える視点


この2つの視点において漢字とひらがなの使い分けを
十分に意識して文章を作成していく必要があるという事です。


文章の「読み易さ」と、その「反応」を意識する。

基本的に「漢字」には、その漢字そのものに「意味」があり、
多くの読み手側は、その「漢字」を認識している限りは、
その「意味」も併せて認識している事になります。

故に、文章内に「読み手側の認識内にある漢字を示す事」は、
その前後の文章が仮にしっかりと読まれていない前提においても、
その漢字の一語を読み手側の目に触れさせる事ができた時点で、

「その漢字における意味や印象を読み手側に認識させる」

という事が可能になるわけです。

例えそれが「常用漢字」や「ひらく漢字」に該当する漢字であっても
その漢字によって読み手側に与えられる「認識」や「印象」を重視する場合は、
意図的に、その漢字を用いる事が「効果的」となるケースもありえます。

例えば、以下の文章例をそれぞれ読み比べてみてください。

なぜ、あなたは文章を書くことに苦手意識を持っている人が多いのか。

何故、あなたは文章を書く事に苦手意識を持っている人が多いのか。

何故、あなたは文章を書くことに苦手意識を持っている人が多いのか。

これらの例文における『何故(なぜ)』『書く事(書くこと』は、
一般的にはひらく漢字(ひらがなにするべき漢字)とされているものです。

このような「1行のみの例文」として示される範囲では、
いずれも、そこまで大きな差はないように思えるかもしれませんが、
一般的に言われる「読み易さ」の観点や「漢字の多用を避ける」という点では、

「なぜ、あなたは文章を書くことに苦手意識を持っている人が多いのか。」

こちらの「ひらくべき漢字をひらいた文章」が適切という事になります。

ですが、ブログやメルマガなどの文章内において示す1行の文章としては、
読み手側が文章全体を「流す」ように読んでいる可能性があるため

『なぜ』 → 『何故』

としておく方が、この「2文字」が目に止まるだけでも
その「意味」をそのまま認識させた上で印象付ける事ができます。

よって、このような文章であれば、私は「ひらく漢字」とされる「何故」を、
そのまま「何故」という漢字で文章に用いる事が多いのですが

『書く事』『書くこと』

については「こと」が単一の語ではなく『書く事』で、
読み手側も解釈する可能性が高いと考えられます。

よって、こちらはとくに漢字を用いた上での印象に違いは生じないため
文章に漢字の割合が多い点からも漢字をひらいて『書くこと』を用います。

つまり、私がこの3つの例文の中で採用するとすれば、

「何故、あなたは文章を書くことに苦手意識を持っている人が多いのか。」

という事です。


漢字とひらがなは「読み易さ」と「印象」を捉えて使い分ける。


このように「常用漢字」や「ひらく漢字」などは、
全て文章において、必ずしもその規範に従う必要はありません。

少なくとも、ブログやメルマガなどの文章においては、
漢字の使い方で文章そのものの「印象」も変わってくる事から、

・「文章の読み易さ」を捉える視点
・「文章への反応」を捉える視点


この2つの視点において「漢字」と「ひらがな」で、
どちらを用いる方が効果的かを意識するようにしてみてください。

コピーライティング視点の常用漢字、ひらく漢字の使い分けについてでした。

是非、参考にしていただければと思います。

K.Uzaki

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カテゴリー:文章講座

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