一貫性の原理、フット・イン・ザ・ドア・テクニックとローボール・テクニック

人は自分の行動や発言、考え方などに対して、
ある程度一貫したものを貫き通したいという考えが潜在的に存在し、
それを妨げるようなものに対しては「抵抗」を覚え、
逆にその考えに沿ったものであれば容易にそれを受け入れる傾向にあります。

これを心理学用語では「一貫性の原理」と呼んでいるのですが
この心理は「一貫性を保つ事」こそが社会生活において、
他人からの評価を高めるという意識が無意識的に働いていると考えられ、
この心理は他人を評価する際も同様の原理を生み出します。

つまり人は主張、行動に一貫性のある人を高く評価する傾向にあり、
そうではない人を評価しない傾向にあるという事です。

これはもはや理屈抜きに当然の事のように思えますが
その「理屈抜きの当然の事」と思える事こそが
こういった潜在的な心理作用の原理になっていると言えます。

一貫性の原理を利用したフット・イン・ザ・ドア・テクニック

一貫性の原理を利用した交渉、マーケティング手法の1つに
フット・イン・ザ・ドア・テクニックというものがあります。

これは交渉相手や顧客に対しまずは敷居の低い要求を出して
その要求を受け入れてもらうところから交渉をスタートさせるというものです。

スーパーの試食コーナーで「試食だけでもどうぞ」と
ひとまずは「試食だけ」という要求を呑ませていくような手法。

一貫性の原理 フット・イン・ザ・ドア・テクニック

訪問販売員が「ドアだけでも開けてください」と促すような手法など、
これらはまさにフット・イン・ザ・ドア・テクニックの事例と言えます。
※試食に関しては「返報性の原理」も働くと言われています。

一貫性の原理を利用したローボール・テクニック

また同じく一貫性の原理を利用した交渉、マーケティング手法として
ローボール・テクニックというものも存在します。

ローボール・テクニックはあえて悪い条件を隠した状態で
ひとまずは相手に意思決定を下してもらい、
そこからそういった条件を提示していくという手法です。

勿論これは人を騙すようなやり方では無く
ひとまずの意思決定をしてもらった段階でより詳しい条件を話すとして
その条件を聞いて決定を取り消しても構わないとしても、
一度意思決定を下した交渉相手や顧客には一貫性の原理が働く為、
後々悪い条件が提案されてもその意思決定を覆さないという手法になります。

この一貫性の原理やフット・イン・ザ・ドア・テクニック、
ローボール・テクニックはネット上のマーケティング等にも多いに活用できる
心理的作用も非常に強い潜在的なものとなっていますので、
是非あなたのビジネスにも有効に活用してみてください。

K.Uzaki

>コンテンツ一覧へ

このエントリーを含むはてなブックマーク Buzzurlにブックマーク livedoorクリップ Yahoo!ブックマークに登録

タグ

カテゴリー:行動心理学

トラックバック&コメント

コメントは受け付けていません。

このページの先頭へ