架空請求メールの文面例とコピーライティング。

宇崎です。

先日、メルマガ講座の受講者さんから
このような内容の「ご依頼メール」を頂きました。

先日、私の携帯メール宛てにいわゆる架空請求のメールが届きまして、
以前ならば、軽く内容を確認して廃棄なのですが、
宇崎さんのメルマガを読んでいる身としては、
この架空請求の文章をコピーライティングという視点で
分析、解説していただきたいと思いメールさせていただきました。

架空請求という、非常にコスい行為を肯定する気は毛頭ありませんが、

『人の心を動かす文章を書く』

という本質は一緒なのではないでしょうか。

このような『悪用することもできる』コピーライティングの分析&解説を
メールマガジンの講座で読者と共有することは非常に有益だと思います。
(当然、悪用厳禁になるのでしょうが)

もしよろしければ、今後の企画としてご検討ください。

以下、その架空請求メールの全文コピーです。
———————————-
【至急】ご連絡ください
(株)○○
【TEL】03‐xxxx‐9615
【顧客担当】大塚

弊社は調査業務、情報管理及び和解手続き代行等を主とした調査会社でございます。

本日ご連絡致しましたのは、現在貴方がご契約されている総合コンテンツ提供サービス会社からの再三の通告を放置し、利用料金を長期延滞している事に対して、同社が訴訟準備期間に入った事を報告致します。

この通知を最終通告と致しますので、本日、当社営業時間までにご連絡が無い場合、10月23日付、不本意ながら運営会社様より東京
管轄裁判所へ民事訴訟の申し入れの手続きを行うことを代わってご通告させて頂きます。
後、管轄裁判所から裁判日程を決定する呼出状が発行され、記載期日に指定裁判所へ出廷となります。
尚、裁判を欠席されますと、相手分の言い分通りの判決が出され、執行官立ち会いのもと、給料、財産や不動産、有価証券等の差押えを含めた強制執行となりますので、ご注意下さい。
弊社は、今回運営会社様より和解等の最終判断を委託されましたので、双方にとってより良い解決に向かうためのご相談に乗らせて頂きます。本日弊社営業時間までに早急にお電話にてご相談ください。
最近個人情報を悪用する業者の手口も見受けられますので、万が一身に覚えのない場合でも、早急にご連絡ください。
※時間帯によって繋がりにくい場合がございますので、その際は恐れ入りますが、再度お掛け直し頂きますようお願い致します。
パソコンからのメールはドメイン設定により送受信ができない可能性がございますので、本日はこちらのアドレスから送信させて頂きます。

(株)○○
【TEL】03-xxxx-9615 
【顧客担当】大塚  
【営業時間】8:00-17:00
————————————————————————–

以上です。

コピーライティング ど素人の私から見ても
突っ込みどころが満載の文章なのですが、
実際にこのメールが送られて連絡してしまう人は、
どういった部分に心を動かされて
行動(連絡をしてしまった)に移したのか?

そのような詳しい分析と解説をいつの日か、
メールマガジンのコピーライティング講座で
していただければな、と思います。

架空請求メールをコピーライティングの視点で
分析、解説して欲しいという依頼ですね。

詐欺に合ってしまった人達は何故行動してしまったのか。
(お金を振り込んでしまったのか。)

これをコピーライティングの観点で分析しておく事は
ある意味、被害に合ってしまう人を抑制できる
二次的な効果も期待できるかもしれません。

という事で、実際にやってみようと思います。

架空請求メールの文面例とコピーライティング。


ただ先に「結論」をお伝えしてしまうと、
先程のような架空請求メールで被害に合ってしまったような人達。

すなわち「行動」を起こしてしまった人達は、
実は「文章(コピー)」に“反応”してしまったわけではありません。

まあ、ある形式上は先ほどのようなメールの文章を読んで、
そのメールがきっかけとなって行動を起こしているわけですが、
これは「文章による反応」とはちょっと違う側面があります。

まずはその辺りの話から順を追ってしていきたいと思いますが
そもそも被害者の人達を「行動」に駆り立てた要因は何でしょうか?

行動には必ず「動機」がありますので、
その心理的な「動機」は何なのか?という話です。

・・・結論的に言えば「恐怖心」「不安」だと思います。

事実その「恐怖心」「不安」を先ほどのような、
架空請求メールの文面で「与えられた」わけです。

そういう意味では動機の引き金は間違いなく「文章」であり、
コピーによって「動機(不安、恐怖心)」を与えられ、
行動(お金を払ってしまう)に至ったと言える面はありますが、
そこでもう一歩踏み込んで考えて頂きたいのは、

「詐欺に合ってしまった人と合わなかった人の違いは何か」

です。

要するに先ほどのような架空請求メールで、
行動を起こしてしまう人と起こさない人の違い。

更に言えば「不安」「恐怖」を感じてしまう人と感じない人の違い。

細かい要因は幾つかありますが一番のポイントは

「無知」
「無知の無知」


という事に尽きると思います。


「無知」「無知の無知」がその要因。


例えば、

・このようなメールが架空請求であるという事への無知

これはかなり根本的なところで、

・そもそも全く成り立ちようのない請求権である事
・こちらの名前、住所も知らない人間が訴訟など起こせない事
・まして強制執行など100%不可能な事
・仮に民事訴訟を起こされても全面的に勝訴出来る事


などなど、半分くらいは法的な知識になりますが、
これくらいはわりと「常識レベル」で、
何となくくらいは認識しておくべき事です。

また、仮に無知であるなら無知であるなりに、

「グーグルで検索する」

などのアクションを取れば、
大抵の事は情報として知る事が出来ます。

請求 裁判 無視 強制執行 民事訴訟

などなど、先程の文面の中でも、
検索キーワードの発端となるものは幾らでもありますし
これらのキーワードで検索をかければ、
先程のような情報は幾らでも出てきます。

自分が「無知である事」を認識していれば、
わからないなりにまずは「調べる」はずなのです。

要するに無知である事さえ認識出来ていない為に、
言われるがままに行動を起こして騙されてしまう。

無知なら無知なりの取るべき行動を心得ておけば、
まずこのような架空請求メールには引っかかりません。

つまりこの手の架空請求メールは、
読み手側の「無知」が行動における最大の要因であり、
文章の内容云々というコピーライティング的な観点とは、
あまり関係の無いところに行動の動機が存在します。

よってこのような架空請求のメールの「反応」は
文章(コピーライティング)によって変わるものでは無く、
読み手側の「無知」がその反応を左右しているに過ぎません。

架空請求業側の目線で言うなら、
読み手に与えるべきは「恐怖」と「不安」であり、
その「恐怖」と「不安」をそれらしい“法的な文言”で、
ただ一方的に与えているに過ぎないわけです。

よってこれはコピーライティングというよりは、
ただ「無知につけこんだ法的文言の羅列」に過ぎず、
その法的文言が“それらしければ”、
事実、無知な人の反応は取れてしまいます。

「無知な人だけをターゲットにした、
 ただ、それらしい法的文言を並べるだけの文章」


当然ですが、これを「コピーライティング」とは言いません。


悪徳業者のスパムメールをコピーライティングの観点で読み解くなら。


それこそこの手の架空請求的なメールで言えば、

「悪徳出会い系サイト」

などがスパム的にメールをしてくる、

“今すぐに会えませんか?”
“1000万円を受け取ってください。”


などのメールの内容の方がコピーライティング的な観点で
読み手に行動を起こさせる要素を多分に含んでいます。

・興味を引く(件名で引き付けてメールを読ませる)
・信用させる(何度かメールのやりとりをさせる)
・行動させる。(有料課金に誘導する)

こういうプロセスを「無知につけこむだけのメール」では無く、
「コピー(文章)」によって読み手の感情を揺さぶり、
反応させる事を追及していると思います。

メールの内容をコピーライティング的な観点で分析するなら、
そういった「出会い系のスパムメール」の方がまだ為になると思います。

まあ、いずれも「悪徳商法」が前提なので、
そのままの方向性で参考にするべきものではありませんが、、、。

それではまた次回。

K.Uzaki

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