創造性と知性(IQ)は比例するか。(「天才の脳科学」より。)

先日、師匠に勧められて目にした「天才の脳科学」という本に
なかなか興味深い脳科学研究の成果がレポートされていました。

これはスタンフォード大学の
ルイス・ターマン教授が行った知性テストで
創造性と知性(IQ)の関連を長期的に統計したものらしいです。

創造性と知性(IQ)は比例するか。

カリフォルニア州からIQが135以上という
いわゆる「天才」を集めて、その生涯を記して統計。

ちなみにIQの平均値は100~110とされていますので、
少なくともそこで集められた少年少女は、
知性面では間違いなく人並み以上の天才達でした。

併せて一般的な知性を持つ少年少女も同時に集め
精神的発育、職業上の成果、結婚の適応、感情的、肉体的な健康面
あらゆるデータを統計的に観測していった結果、
知性(IQ)の高い少年少女はその後の全ての面において、
やはり一般の知性を持つ対象者の平均値よりも統計結果は良好だったそうです。

ただ職業面も含めて目覚ましい創造性を発揮している人物や
成功を成し遂げているような人間は少なく、
あくまでも「平均値よりは上」というのが統計の結果でした。

各職業への就職率は下記の通り。

専門職が45%、管理職が40%、小売業11%、農業2%

ただ偶然にもその募集時にIQの高い少年少女に選ばれなかった
カリフォルニア出身の者がノーベル物理学賞を受賞していたそうです。


創造性と知性(IQ)は比例しないという結論。

結果として創造性(発想力)と知能の関連は無いとされ、
むしろ逆比例する可能性があるという結果が出された事になります。

知性の高さは総合的観点では「平均値以上の能力」を発揮するようですが
創造性や発想力は「知性」とは別のところから来るという事ですね。

世間的に言われる「天才」と呼ばれる人は
総合的観点で平均以上の能力を発揮する人では無く、
創造性や発想力が突出している人の事を言うと思いますので
知性(IQ)の高さは逆にそれを退化させてしまうのかもしれません。

天才と呼ばれる人や大成する人に「変わり者」が多いのは
まさにその為かもしれません。

この「天才の脳科学」にはこのような統計以外にも
かなり興味深い統計結果や「天才」と呼ばれた人達の
思考的特徴などが様々な覚悟から書かれていました。

興味があれば是非読んでみてください。

K.Uzaki

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2014年1月25日 | コメントは受け付けていません。 |

カテゴリー:書籍レビュー 脳科学

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