同じ語尾が続く単調な文章に「メリハリ」を付けるテクニック。
宇崎です。
文章には「緩急」や「メリハリ」が必要であり、
これらが欠けてしまっているような文章は、
「つまらない文章(面白みのない文章)」
という印象を与えてしまいます。
ただ、この「緩急」や「メリハリ」にあたるものは、
その文章の内容そのものによって演出できるものであると同時に、
文章の「語尾」によっても印象付けられるものなんです。
言い方を変えれば、文章の緩急やメリハリといったものは、
文章の語尾がどうなっているかで変わってくるものでもあり、
・単調な印象を与えてしまう文章
・メリハリのある印象を与えられる文章
この「印象」を文章の語尾が左右すると言っても過言ではありません。
では、どのような語尾の文章が単調な印象を与えてしまい、
どのような語尾の文章がそうではない印象を与えられるのか。
今日は、その辺りのポイントを講義してみたいと思います。
同じ語尾が続く単調な文章に「メリハリ」を付けるテクニック。
まず、ここで言う文章の「語尾」というのは、
「。(句点)」
を1つの文章の「終わり」と定義した上での、
1つ1つの文章の終わりを構成する最後の部分を指します。
この記事の冒頭文で言えば、以下の赤字の部分ですね。
文章には「緩急」や「メリハリ」が必要であり、 これらが欠けてしまっているような文章は、 「つまらない文章(面白みのない文章)」 という印象を与えてしまいます。 ただ、この「緩急」や「メリハリ」にあたるものは、 その文章の内容そのものによって演出できるものであると同時に、 文章の「語尾」によっても印象付けられるものなんです。 言い方を変えれば、文章の緩急やメリハリといったものは、 文章の語尾がどうなっているかで変わってくるものでもあり、 ・単調な印象を与えてしまう文章 ・メリハリのある印象を与えられる文章 この印象を文章の語尾が左右すると言っても過言ではありません。 |
上記の『ます』『です』『ません』などが、
ここで言う文章の「語尾」にあたるわけですが、
基本的に、この「語尾」に同じものが続く文章は、
「メリハリの無い単調な文章」
という印象を与えてしまう傾向にあります。
文章の内容を問わず、同じ語尾の文章が続いているだけで、
その文章は、どこか単調で稚拙な印象を与えてしまうのです。
例えば以下のような文章。
私は山に登ります。 そして、キノコを採ります。 山菜も採ります。 ただ、日によっては登るだけで何も採らずに帰ってくる事もあります。 そもそも私は健康を考えて、散歩のために山に足を運んでいます。 |
全ての語尾が「ます」になっているため、
やはり、どこか単調な印象を覚えてしまうはずです。
あえて例文として顕著なものを示していますが
実際にこのような同じ語尾が一辺倒に続く文章は、
ネット上のブログなどを見ても決して少なくはありません。
少なくとも、上記に挙げたような文章であれば、
以下のように構成するだけで文章の印象は大きく変わります。
私は山に登ってキノコや山菜を採る事もありますが、日によっては登るだけで何も採らずに帰ってくる事もあります。 何故なら、私が山に足を運ぶ目的は健康を考えての「散歩」だからです。 |
この文章で伝えている(伝えたい)事は、
・自分(私)は山登りをしているという事
・その際にキノコや山菜を採っている事
・ただ、何も採らずに帰ってくる時もあるという事
・山登りの目的は健康を考えての散歩である事
この4点ですので、どちらの文章例においても、
この4点はしっかりと伝える事が出来ているはずです。
構成としては、
・自分(私)は山登りをしているという事
・その際にキノコや山菜を採っている事
・ただ、何も採らずに帰ってくる時もあるという事
この3点を、
私は山に登ってキノコや山菜を採る事もありますが、日によっては登るだけで何も採らずに帰ってくる事もあります。 |
接続助詞(~ますが)などを用いて1つの文章に構成し、
『何も採らずに帰ってくる事もある』
という主張に対しての「理由付け」として、
何故なら、私が山に足を運ぶ目的は健康を考えての「散歩」だからです。 |
という文章を構成する事で、結果的に語尾に変化が生まれ、
文章そのものにも緩急、メリハリが付いたわけです。
ただ、ここで重要なのは、
『その文章で最も強調して伝えたい事は何なのか』
という事であり、その「強調するべきポイント」によって、
然るべき文章の構成は少なからず変わってきます。
少なくとも、この例文においては、
・自分(私)は山登りをしているという事
・その際にキノコや山菜を採っている事
・ただ、何も採らずに帰ってくる時もあるという事
この3点は言わば「前フリ(前置き)」に近いものであり、
主張における実質的な「結論」にあたるものは、
『山登りの目的は健康を考えての散歩である』
という、この「山登りの理由」にあたる情報です。
故に、この事を伝える文章を構成する上では、
・自分(私)は山登りをしているという事
・その際にキノコや山菜を採っている事
・ただ、何も採らずに帰ってくる時もあるという事
この3つの情報は1つに「情報」としてまとめても問題はなく、
むしろ、これらの情報を「フリ」として構成するのが適切と言えます。
その「フリ」に対して『山登りの理由』を示す構成にする事で、
結果的に文章に緩急が付いて、メリハリが生まれるという事です。
その一文の結論(何を伝えたいのか)を前提に緩急を付ける。
もう1つ例文を挙げて見ます。
今日は娘が晩ごはんを作ると言いました。 そして、私が大好きなカレーライスを作りました。 予想以上のおいしさに私は驚きました。 |
見ての通り、語尾が全て「ました」であるため、
やはり、文章にメリハリが無く単調な印象を覚えます。
ただ、実際にこのような「出来事」を延べるような文章では、
このような同じ語尾が続く文章が非常に多い傾向にあるんです。
対して、以下がこの例文に対しての改善例になります。
今日は娘が晩ごはんを作ると言って、 私が大好きなカレーライスを作ってくれました。 その予想以上のおいしさに私は驚いてしまったのです。 |
この例文で伝えている(伝えたい)ポイントは、
・娘が晩ごはんを作ると言った事
・私の好きなカレーライスを作ってくれた事
・そのおいしさが予想以上で驚いた事
この3点ですが、やはり結論として伝えたい事は、
『娘の作ったカレーが予想以上においしくて驚いた』
という事だと思います。
少なくとも、それが趣旨(目的)の文章を構成するのであれば、
・娘が晩ごはんを作ると言った事
・私の好きなカレーライスを作ってくれた事
この2点はあくまでも前置き(フリ)として構成するべきであるため、
今日は娘が晩ごはんを作ると言って、 私が大好きなカレーライスを作ってくれました。 |
という構成で、その出来事を1つの文章で伝えれば十分だと思います。
その上で、この文章でしっかりと伝えたいポイントである、
『そのカレーが予想以上においしくて驚いた』
という情報を、
その予想以上のおいしさに私は驚いてしまったのです。 |
という構成で結論(結果)として示せば、
前フリとなる情報と、その結果を表す情報が鮮明になり、
文章そのものにも「緩急」と「メリハリ」が付くわけです。
同じ語尾が続く単調な文章にメリハリを付ける方法。まとめ
上記に示した2つの例文からも分かるように、
同じ語尾が続いてしまう単調でメリハリの無い文章は
「その文章で最終的に伝えたい事(結論)」
が曖昧であり、どの情報が「前フリ」にあたるもので、
どの情報がその「結論(伝えたい事)」にあたるものかが、
文章からは読み取れないような構成になっている傾向にあります。
つまり、文章を書く側がそこを意識できていないため、
全ての情報をただ淡々と伝えてしまっている事から、
結果として、同じような語尾の文章が単調に続いてしまうのです。
よって、実際に文章を構成していく際においては、
・その文章で最終的に伝えたい事は何なのか
・それを伝えるための前フリとなる情報は何なのか
これをまずはしっかりと線引きするべきであり、
その上で、その前フリ、結論に見合う文章を
それぞれ意識的に構成するようにする事をお勧めします。
単純に同じ語尾が続かないように文章を構成するのアリですが、
語尾だけを変に意識して文章を構成していくよりも、
上記を意識して在るべき形に文章を構成していくようにした方が、
結果として緩急の付いた文章を自然に書けるはずだからです。
是非、参考にしてみてください。
K.Uzaki
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カテゴリー:文章講座