人間心理における「恐怖」や「不安」などのマイナス感情を煽り、
そこから「行動」へと掻き立てる行為を『扇動(せんどう)』と言います。

この『扇動』というテクニックは、ナチスの「アドルフ・ヒトラー」などが、
当時、低迷していたドイツの経済事情などを背景に大衆の恐怖や不安を演説で煽り、
実際に多くの支持者を集めていった事例などから「政治」などにも利用されています。



>ナチス、アドルフ・ヒトラーの扇動演説による「大衆洗脳」の事例について

人間心理においては「恐怖や不安を回避したい心理傾向」が強いため、
それが強い「行動の動機」に結び付いていく傾向にあるわけです。

よって、この『扇動』にあたるような恐怖や不安を煽るテクニックは、

・マーケティング
・コピーライティング

などにも利用できるため、大なり小なり、多くの「商品広告」や、
身近に目にしているテレビCMなどでも実用されているのが実情です。

ただ、実際のマーケティングやコピーなどで見込み客の恐怖や不安を煽る場合、
その行為そのものが「マイナス」の方向に転んでしまうケースもあるため、
ここでは『扇動』における注意点などを解説していきたいと思います。

恐怖や不安を煽る「扇動」によるコピーライティングの注意点。

いざ『扇動』のテクニックをマーケティングやコピーライティングに実用する場合には、
実際の「見込み客」にあたる人達が置かれている「状況」や「環境」を捉えた上で、

・見込み客が現実に感じている不安や恐怖を的確に捉える
・見込み客が現実的にイメージできる不安や恐怖を掻き立てる

この2点を押さえて、それを代弁するようなコピーを示す必要があります。

あえて、こちらが見込み客側の「不安」や「恐怖」に結び付く情報を提示する以上、
そもそも、それが見込み客にとってリアリティのあるものになっていなければ、
その話自体が、ただの「他人事」で終わってしまうからです。

その際の「不安」や「恐怖」が大きなものであるほど「扇動」に結び付くわけですが、
見込み客が、それを現実的にイメージできるかが重要なポイントになるため、
それらに結び付く情報をただ大袈裟に提示すれば良いというわけではありません。

その「不安」や「恐怖」に結び付く情報は、

・長期的、将来的な視点によるもの
・それに付随する二次的、副次的なもの

などを追及していく事で、より大きな不安や恐怖に結び付く情報を示せるはずですが、
重要なのは、見込み客がそれを現実的にイメージできるかどうか、という事です。

よって、それらを単刀直入に示す形でも、そのまま「イメージ」に結び付くなら、
さほど回りくどい言い方はせずに、そのままの情報を示していけば問題ありません。

ですが、そのような「単刀直入な形」では、イメージに結び付かない可能性がある場合、
その恐怖や不安を見込み客が「認識」できるように伝えていく必要があります。

要するに、見込み客の「認識」や「イメージ」に結び付かないような、
ズレた不安や恐怖を煽るようなコピーは、ただの「他人事」になってしまい、

「自分とは無関係な話をされている」
「(自分にとっては)無意味な話が展開されている」


という捉え方になってしまうため、コピーの反応そのものを落としてしまうわけです。


その「恐怖」や「不安」が見込み客の現実的なイメージに結び付くかどうか。

ただ、この『扇動』のテクニックで最も重要となるポイントは、
見込み客の「不安」や「恐怖」を煽ることにあるのではなく、

・その不安や恐怖を解消できる何かを提示する事
・その何かに対して関心と行動を向けてもらう事

このような、その「次の段階」こそが非常に重要となります。

扇動の「そもそもの目的」は『恐怖や不安を煽る事』にあるのではなく、

・見込み客の関心や行動を商品やサービスに向ける事
・そのために不安や恐怖を回避したい感情を利用する事


これらがその「目的」に他なりません。

よって、見込み客の不安や恐怖を掻き立てる(掻き立てた)のであれば、
それらの解決、回避に結び付く「何か」を併せて提案する必要があります。

そして、その提案が自らが提供する商品やサービスなどに、
そのまま「結び付くもの」になっていなければならないわけです。

よって「目的」に対しての逆算の視点で言えば、

・解決や回避に結び付く何かを提案できる恐怖や不安のみを掻き立てる
・解決や回避に結び付けられない恐怖や不安を掻き立てるべきではない

という事であり、これも「扇動」を実用する重要なポイントになります。

あくまでも見込み客に「認識」させ「イメージ」させる必要があるものは、
自分が提案したい何かによって解決、回避が可能な「不安」や「恐怖」であり、
その解決や回避に結び付く「何か」を併せて提案できなければ意味がありません。

そして、その解決や回避に結び付くものを提案する場合においても、

「不安や恐怖を現実的に解消、回避できるイメージに結び付くかどうか」

が非常に重要であり、そこをイメージさせる事が最終的な「決め手」となります。

よって、実際にマーケティングやコピーライティングで「扇動」を意識する場合には、

「こちらからどのような解決、回避の術を提案する事ができるのか」

という視点を、まずは大前提に考える必要があります。

そこから逆算して、どのような恐怖や不安なら、回避、解消できるのかを考察し、
そこから、実際のマーケティングやコピーの作成に取り掛かる必要があるわけです。


その不安や恐怖をいかに回避、解消するのか。

ただ、ここで言う「扇動」を意識したコピーなどは非常に多く見受けられるものの、
その多くでは「不安」や「恐怖」を駆り立てる段階の方に比重が置かれています。

とくに「情報商材」のセールスレターなどのコピーはそのような傾向にあり、
コピーを構成する大半が恐怖や不安を駆り立てる内容になっているものの、
本来、比重を置くべき、それらの解決、回避に結び付く提案が疎かになっています。

もしくは、ただ漠然と、それらを回避できる、解決できるという事だけが提案され、
その具体的な回避、解決の要因や理由などが、ほとんど言及されていません。

扇動の実用において重要なのは、恐怖や不安を駆り立てる事ではなく、
また、それを漠然と回避、解決できるという事を提案する事でもありません。

その恐怖や不安の回避、解決の「要因」となるものと、
自らが提供する「商品」や「サービス」を結び付ける事であり、
そのイメージが結び付いてこそ、見込み客の「関心」や「行動」が、
その「商品」や「サービス」に向けられる形になります。

つまり「扇動」における最も重要なポイントは、
駆り立てた恐怖や不安を回避、解決に導ける要因となるものが、
自らが提供する「商品」や「サービス」である事を認識させる事であり、

「そのイメージを結び付けるための提案にこそ比重を置く必要がある」

という事です。

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以上、ここでは見込み客の恐怖や不安を掻き立てる「扇動」のテクニックを
マーケティングやコピーに実用していくポイントなどを解説させて頂きました。

是非、参考にしてください。

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