論理的な文章を書くテクニック
今日は「論理的な文章を書く」というテーマでお話ししていきたいと思います。
文章で人を説得し、納得させていく上で「論理的な文章」というのは必要不可欠です。
論理が破綻しているような文章に人は反応しないからです。
論理的な文章とは筋道がしっかりしている文章の事。
どのように文章を構成していけばそれが論理的な文章になるのか、
今回はその辺のテクニックをお伝えしていきます。
ポイントを意識して文章を書く癖をつけていけば
すぐにでもある程度は論理的な文章が書けるようになりますので
是非今回の内容もしっかりと身に付けていって頂ければと思います。
それではそのポイントごとに講義を進めていきたいと思います。
ポイント1:物事を提示する際は必ず理由を合わせて提示する
文章を構成していく上で、何かの物事を断定的に提示していく場合、
そこには必ずその理由も提示していくようにしてください。
むしろ物事の提案には全て理由を付け加えた方がいいくらいです。
「これは非常に優れた商品です。」→ 何故そう思うのか
「この商品には返金保証をお付けします。」→ 何故保証を付けるのか
「90日間はいつでも返金に応じます。」→ 何故90日間なのか
極端に言えば“くどい”というくらい物事に対して理由を添えてください。
その書き方がある程度自然であればその理由を明確にしておくほど
あなたが提示する文章の説得力は飛躍的に上がります。
この効果については「影響力の武器」という書籍に
それを立証している下記のような事例が記されています。
◆コピー機でコピーを取っている人に下記のようなお願いをした◆
「5枚なんですけど先にコピーを取らせてください。」
コピー機を譲ってもらえた確率:約60%
次にお願いの内容を下記に変更
「5枚なんですけど急いでいるので先にコピーを取らせてください。」
コピー機を譲ってもらえた確率:約94%
更にお願いの内容を下記に変更
「5枚なんですけどコピーを取らなければならないので先に取らせてください。」
コピー機を譲ってもらえた確率:約93%
これは国外の心理学者が行った実験らしいので、
それを日本語に訳したものが上記の実験結果となっています。
この事例が示している事実は“急いでいるので”という理由を
そのお願いに付け加えただけで飛躍的にその成功率が上がっているという点です。
ただ更に行った次の実験では“コピーを取らなければならないので”という、
実質、何の理由にもなっていないような理由付けでも、
その成功率は理由付けをしない場合に比べ飛躍的に高くなっている事がわかります。
つまりそれが例え最もらしい理由にさえなっていなくても、
人は理由付けをされただけでそれに納得してしまう事が立証されているわけです。
下手な文章であっても物事の提案に理由を付け加えていく事が
どれだけその文章の説得力を引き上げられるかは容易に想像できますね。
勿論その理由付けが最もなもので且つ自然に付け加えられていれば
更にその説得力が上がることは言うまでもありません。
是非ご活用ください。
ポイント2:主語、動詞、述語をしっかりと構成する
そんな事は当たり前だと思われるかもしれません。ただ多くのアフィリエイターのブログやメルマガをよくよく読んでいくと
意外にこれが出来ていない文章をよくよく目にします。
とくに抜けている事が多いのは最も重要であるはずの「主語」。
当然そんな文章は読みにくく、理解しづらいわけですから、
説得力以前に反応を下げてしまいます。
何故、多くの人がそんな文章を作ってしまっているのかと言えば
文章を構成している段階で頭の中に思い浮かべている物事が先行するあまり、
自分だけが納得できる文章を作ってしまっているのだと思います。
書き手は当然どんな話をしているかを理解していますし、
その結論も頭に浮かべた状況で文章を書いていきます。
しかし読み手はその文章を読みながら理解を深め、
その文章の進行と共に最終的な結論へと行き着くわけです。
例えばこちらの文章をご覧になってみてください。
私は友人2人と共に会社を興した。
資金は3人で出し合って新宿の一等地にオフィスを構えた。
その際にこう言った。
「絶対この会社を大きくしようぜ!」
2人は大きく頷いた。
これはシンプルな文章なのでそこまでの違和感は感じないかもしれません。
ただ読み手のとっては明らかに不親切な文章になっています。
ポイントはここです。
その際にこう言った。
「絶対この会社を大きくしようぜ!」
2人は大きく頷いた。←この段階でその台詞を言ったのが「私」だとわかる。
この部分に主語が入っていなかったという事です。
その際に“私は”こう言った。
「絶対この会社を大きくしようぜ!」
2人は大きく頷いた。
この程度の文章であれば大きな支障はありませんが
わりと複雑な物事を説明している文章にこういった事が続くと、
読み手は誰が何をしてどういう話になっているのかがわからなくなってきます。
「その際にこう言った。」の一文を読んだ段階で、
友人の一人がそういった場面を即座にイメージする人もいるかもしれないのです。
その後の文章でそれを言ったのが「私」だと気付き、
その人は自分のイメージを頭の中で切り替えなければならなくなります。
その段階で文章を読んでいる事自体の集中力は下がってしまい、
文章そのものの反応自体が薄くなってしまうわけです。
読み手にストレスを与えないわかりやすい文章を書く。
これは基本中の基本です。
最初のうちは文章を作り上げた段階で
一度客観的な視点でその文章を読み返していく事をお勧めします。
とくに文章の軸なる「主語」などは
一切省略することなくしっかりと入れていくようにしてください。
ポイント3:2つのポイントを押さえて「話し言葉」で文章を構成する
ただ、論理的な文章を意識しすぎると、
どうしても文章が堅苦しいものになってしまう傾向にあります。
固い文章がダメだというわけではありませんがそれも時と場合によります。
いずれにしても硬すぎる文章は読みにくい印象を与えますので、
論理的でありながら固過ぎない文章を構成していく必要があるわけです。
そこで私がクライアントにアドバイスしている方法は
まずはその説明を目の前の友人にしているかのようなイメージで
その話し言葉をそのまま書き出していくという方法です。
そのイメージをしながら文章を書くのが難しいという場合は
いっその事、その話し言葉をそのまま録音してしまってもかまいません。
そしてその内容をそのまま書き起こしていくわけです。
その上で先立ってお伝えした2つのポイントを押さえていく。
これを徹底してくだけでも論理的な文章を柔軟に書いていく事が出来るはずです。
是非やってみてください。
まとめ
今回の内容のまとめです。
・文章で人を説得し、納得させていく上で論理的な文章は必要不可欠
・物事を提示する際は必ず理由を合わせて提示する
・例えその理由が的確ではなくても説得力が向上する統計が出ている
・主語、動詞、述語をしっかりと構成する
・読み手にストレスを与えない文章構成を心掛ける
・出来上がった文章を客観的な視点で読み返すようにする
・文章が固くなってしまう場合は話し言葉を元に構成していく方法がある
また次回の講義をお楽しみに。
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カテゴリー:文章講座