影響力の武器―なぜ、人は動かされるのか。レビュー、批評

宇崎です。

コピーライティングに役立つ書籍の紹介レビューです。

今回はこちらの「行動心理学(社会心理学)」の書籍になります。

影響力の武器―なぜ、人は動かされるのか。

影響力の武器―なぜ、人は動かされるのか。レビュー


言わずと知れた行動心理学の名書ですね。

影響力の武器には「実践編」というのもあるのですが、
やはり本書「影響力の武器」の方が内容は充実しています。

影響力の武器が行動心理学書として高い評価を得ているのは、
その内容が「結論」や筆者の「持論」では無く、
1つ1つの原則に対して精巧な心理学実験を行い、
その過程と結果をきちんと示していっている点だと思います。

故に誰もが納得し、納得せざるを得ない内容になっているわけです。

何よりその心理学実験の状況がイメージとして頭に浮かぶ為、
他の心理学書に比べて、その一冊を読み終えた際の
内容の印象や理解度が必然的に深くなっている事に気付かされます。

小難しい心理学書を読むとどうしてもその内容が
右から左に擦りぬけてしまう事が多いと思うのですが、
「影響力の武器」はその1つ1つのエピソードがあるので、
1つの物語として事例付きでその知識を吸収できるわけでですね。

これはこの手の心理学書としては非常に素晴らしい点だと思います。


影響力の武器―なぜ、人は動かされるのか。内容


ここでその1つ1つの心理学実験の内容や
エピソード等を挙げていくような事はしませんが、
それらの構成でまとめられているのは下記のような心理原則になります。

・理由を添えると頼みごとが受け入れられる成功率を飛躍的に上がる
・高額なものに純粋に反応し喜んでお金を払う
・専門家の発言を無条件で信用する
・1番目に提示されるものが最初に提示されたものと、
 かなり差があるとその差を実際以上に感じてしまう)
・他人に恩を施されたら、それを返さずにはいられなくなる
・自分が信じて行動したもの、アクションしたことに対して
 それを正当化しようと自分を騙そうとする性質がある
・他人の行動が自分の行動に大きな影響を与える
・共に何かの目標を達成する仲間という意識を持たせると好感度が上がる
・好感を持った人が進めるものは無条件で買ってしまう
・類似性が更なる好感を生む
・人は得ることよりも、失うことの方に大きく反応する


それぞれの原則の元となっているものは行動心理学、
社会心理学で言われるところの下記のような原理原則です。

・権威の証明
・コントラストの原理
・返報性の原理
・行動の一貫性
・社会的証明の原理
・連合の原理
・希少性の原理


社会心理学、行動心理学をかじっているような人であれば、
いずれも「どのような原則か」は頭に浮かぶと思います。

ただそのレベルの認識、知識を持っているとしても
この「影響力の武器」は読む価値が多いにあります。

むしろ理解している人ほど読んで気付けるポイント、
理解を深められるポイントは多いのではないかと。

コピーライティングにもそのまま活かせる原理原則、
また私の教材でもこの原理原則は多く採用されています。

まあ、コピーライティングとはそもそもそういうものなので。

人を動かす文章の勉強に心理学の知識は必要不可欠ですので、
この一冊はその最初の一冊目としてもお勧め出来る内容です。

事例や心理学実験の結果ありきの内容なので、
心理学を全く勉強した事が無い人でも
その内容をそのまま頭に入れられる一冊だと思います。

是非、読んでみてください。

K.Uzaki

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カテゴリー:書籍レビュー

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