QUESTの法則、AIDMAの法則、PASONAの法則。

宇崎です。

コピーライティングを題材にしているブログとしては、
かなり「今更感」のあるテーマになるのですが、
コピーライティング、ないしセールスレターには、
人間心理の流れに沿っていると言われる

「反応を取り易いセールスレターの法則」

というものがあります。

セールスレターの「型」とも言われているものですが、
有名どころで言うと、タイトルで掲げた3つの法則。

QUESTの法則
AIDMAの法則
PASONAの法則


この辺りが挙げられると思います。

各法則の詳細については追って解説していきますが
普通、コピーライティングを題材にするブログなどであれば
これらの法則はわりと真っ先に紹介している事が多いのです。

ただ私はあえてこういう法則は取り上げてきませんでした。

それはコピーライティングを「学ぶ」という上では、
このような法則を最初に頭に入れてしまうのは、
ハッキリ言って「適切では無い」と思っている為です。

私がこのブログでこの手の法則を取り上げていなかった理由


このブログのテーマはあくまでも「学び」にあり、
“手っ取り早く反応の取れるコピーを書く”という事ではありません

その観点で言うと、こういうような法則は
あくまでも「結果論」で付いてくるべきものだと思います。

確かにこういったセールスレターの法則などは
手っ取り早くそれなりのコピーを作るという上では、
スキルの無い人がやみくもにコピーを書くよりは有効です。

ただこのような法則に「あてはめる」ようなコピーを
ひたすら書いていっても「スキル」は上がっていきません。

それが私がこのブログでこのような法則を
あえて取り上げてこなかった「理由」です。

ですので、初めてこのブログを訪れて、
この記事を読まれているような人がいるようなら、
この記事の内容は「知識」程度に留めてください。

下手にこの型にあてはめて文章を書く癖を付けてしまうと
根本的なコピーライティングのスキルは一向に向上せず、
柔軟性の無い決まったコピーしか書けなくなってしまいます。

むしろ重要なのはこの型にあてはめた文章を書く事では無く、

“この型が何故、有効と言われているのか”

という部分の理屈をしっかりと「理解」する事です。

そっちの方が遥かに重要性は高いですし、
私のコピーライティング教材「The Million Writing」を
しっかりと勉強しているような人などであれば、
逆説的にこの法則の有効性を理解出来るのではないかと思います。

よって今日のAIDMA、QUEST、PASONAの3大法則は、
そういう「理論」の理解や「裏付け」という観点で読んでみてください。

ちょっと前置きが長くなりましたが、ここからようやく本題です。


QUESTの法則、AIDMAの法則、PASONAの法則。


まずそれぞれの法則の意味する型をザックリ羅列していきます。

QUESTの法則
・Qualify = 宣言(約束)する
・Understand = 理解を示し共感を得る
・Educate = 教育する
・Stimulate = 刺激を与え興奮させる
・Transition = 行動を促す

AIDMAの法則
・Attention = 注意、注目を集める
・Interest = 関心、興味を引き出す
・Desire = 欲求を引き出す
・Memory = 記憶(過去)から未来への期待値を上げる
・Action = 行動させる

PASONAの法則
・Problem = 問題を提示する
・Agitation = 問題点の根拠、理由を示す。
・Solution = 問題点の解決策を提案する
・Narrow down = 限定性、緊急性を与える
・Action = 行動させる

おおよそ各法則の流れはこういう感じになっています。

この3つの中でほぼ同じような流れを示しているのが、
AIDMAの法則とQUESTの法則かと思います。

コピーライターが意図してそうしているのか、
結果論としてこうなっているのか、
おそらくは両方のパターンがあると思うのですが、
概ね情報商材のセールスレターはこの型で出来ていますね。

事実、この2つの型は確かに「セールス」における、
人間心理の流れに沿ったものになっていると思います。

“興味を与え、信頼を得て、行動させる”

これがセールスの基本で、

「読ませる事」「信じさせる事」「行動させる事」

これを1枚のセールスレターで達成していくわけです。

その上でAIDMAの法則とQUESTの法則はいずれも

“興味を与え、信頼を得て、行動させる”

という心理の流れに沿った法則になっているのですが
このAIDMAとQUEST、それぞれの一番の「違い」は、
セールスレターでは「ヘッドコピー」にあたる

・QUESTの“Qualify”( 宣言(約束)する)
・AIDMAの“Attention”(注意、注目を集める)


この頭の部分かと思います。

QUESTの法則では、ヘッドコピーは

“私はあなたにこのような事を約束出来ます”
“この手紙を読めばあなたはこうなれます。”


という事を宣言・約束する事を前提としているのに対し、
AIDMAの法則でのヘッドコピーは

“とにかく注意を引いて注目させる事”

を前提としています。

その「注意を引いて注目させる」という方法の1つに
QUESTの法則における「Qualify」のような
宣言(約束)という手段があるという感じでしょうか。

そういう観点ではコピーの入口となる部分に関しては
AIDMAの法則は広い範囲でその部分を規定しています。

Attention = とにかく注意を引いて注目させる

これをコピーの取っ掛かりとして、

Interest = 関心、興味を引き出す

という流れに入っていきます。

QUESTの法則は、

Qualify = 宣言(約束)する

という入口をとっかかりに、

Understand = 理解を示し共感を得る

という流れに続くものになっていますので、
これはヘッドコピーの幅をかなり狭めていますし、

「興味を引いてそれを膨らませる」

という段階がその型の中に含まれていません。

それこそQUESTの法則は冒頭部分で、
“宣言(約束)”という方法を用いて、
興味や関心を引き出す事を前提としていますが
AIDMAの法則は“まずは注目させる”という段階から
始めて興味や関心を引き出す流れを作る事を前提しています。

ただこれは「どっちが適切」というわけでもなく、
強いて言うなら「ターゲットと題材」によって、
どっちが適切かは変わってくるというのが正しいと思います。


QUESTの法則とAIDMAの法則。その適切な活用事例


まずQUESTの法則は、

“マーケティング上、ほぼ決まったターゲットがコピーを見る”

または

“そのターゲットにのみ、興味を持って貰えればいい”

という場合にはその有効性をより発揮出来る法則かと思います。

対してAIDMAの法則は、

“千差万別、様々な人がそのコピーを見る”

または

“出来る限り広い範囲の人に興味を持ってもらいたい”

このような場合に有効な法則と言えます。

要するに単刀直入な宣言(約束)で興味を引く方針の
QUESTの法則は、ある程度決まったアクセスや
決まった属性のリストに商品を売り込む際に有効なもの。

対してAIDMAの法則は

“まずは注意を引いて注目させる”

という方法を取る事から、例えば
ヤフージャパンのトップページに広告を出すとか、
そのような千差万別様々な人がそのコピーを見るという場合、
その有効性をより発揮出来る法則と言えます。

それこそ私の「The Million Writing」のヘッドコピーは
どちらかと言えば“まずは注目させる”というところから、
興味や関心を膨らませていく構成になっていますね。

The Million Writing(ミリオンライティング)

この教材はまずはとにかくより多くの人に興味を持ってもらい、
ひとまずコピーを読み進めてもらう事を目的とした為、

“まずは注意を引いて注目させる”

というところに重点を置いたヘッドコピーにしました。

まさにAIDMAの法則の構成に近いです。

ただもしもこの教材をもともとコピーライティングに興味があり、
そういう人にだけ興味を持ってもらえればいいとするなら、
それこそヘッドコピーの段階から、

“コピーライティングを学べる教材を提供します”

という趣旨のQUESTの法則に近い構成にしたと思います。

ただこのような構成にしてしまうと、
さほどコピーライティングに関心を抱いていない人は
そのヘッドコピーにも興味を示さない可能性が高くなります。

ただこの教材に関しては出来るだけターゲットを広げたかったので、
私はあえてそのヘッドコピーの構成を、

「ネットビジネスで最もお金を生み出せるスキルとは・・・」

という切り口からその興味を膨らませていく展開にして、

「その答えはコピーライティングです。」

と後々の展開でそれを明かすコピーにする事で、
出来るだけ多くの人にその主張を伝えられる形にしたわけです。

結果としてさほどコピーライティングに興味を持っていない人でも
このセールスレターを読んでいく中で

「コピーライティングの重要性」

という事に気付き、その認識を持ってもらい、、
この教材に興味を持ってもらえるセールスレターになったわけですね。

対して師匠が書いた「Twitter Brain」のセールスレターは
どちらかと言えばQUESTの法則に沿っていると思います。

Twitter Brain(ツイッターブレイン)

ただ「より広い範囲で多くのターゲットを取り込める」という点で、
そのな結果論のみを耳にすると、

「それならAIDMAの法則の方が有利なんじゃないか。」

と思ってしまうかもしれませんが、
私の「The Million Writing」のようなコピーの構成は、
いざ「書く」となるとその難易度はかなり高いものになります。

この構成で「興味を引けるコピー」を作るのは、
それなりのライティングスキルが無ければ難しいわけです。

繊細な言葉選びの1つ1つでその印象は大きく変わり、
ちょっとしたニュアンスの違いだけでも逆に反応を落としてしまいます。

そういう意味ではAIDMAの法則は上級者向け。

単刀直入な宣言(約束)から入るQUESTの法則の方が
あまりコピーの勉強をしていない人でも、
無難にそれなりのコピーを書ける傾向にあるというのが実際のところです。

ただこの一見似たようなAIDMAの法則とQUESTの法則とでも、
その理論的な部分を追及していくとこれだけの違いがあるわけです。


そしてPASONAの法則。


そしてもう1つ、PASONAの法則。

PASONAの法則
・Problem = 問題を提示する
・Agitation = 問題点の根拠、理由を示す。
・Solution = 問題点の解決策を提案する
・Narrow down = 限定性、緊急性を与える
・Action = 行動させる

これはAIDMAの法則とQUESTの法則とは若干毛色が異なり、
結論から言えば、これはあまりセールスレターには適していません。

これもある程度ターゲットや題材による部分もありますが、
あえてPASONAの法則の型が最も適しているという題材は、
正直なところ滅多にないというのが実情だと思います。

このPASONAの法則の特徴は、
基本、相手の「悩み(問題)」にひたすらスポットを当て、
それをどんどん掘り下げていった後に「解決策」を示すという、

「ネガティブな情報提起」

から始まるセールスレター構成になるという点です。

よって強いてこのPASONAの法則が有効なのは
ターゲットがその問題や悩みにある程度気付いているケース。

そしてその悩みが非常に「深い」というケースです。

ザックリと言うならコンプレックス系、医療系のコピーですね。

何か深い悩みを抱えている人の心を率直にエグり、
それを掘り下げて掘り下げて解決策を提示する。

そんな構成になるセールスレターの法則です。

ただこのPASONAの法則は、
セールスレターにはあまり適していませんが、
DRMにおけるメールマガジンやブログの1記事などでは、
比較的、有効性の高い型と言えるかもしれません。

逆に先程まで解説していたAIDMAの法則やQUESTの法則は、
ブログの1記事や1通のメルマガでカッチリあてはめると、
正直、ちょっとウザったい感じの原稿になってしまいます。

冒頭から「売り込み色」がどうしても強くなってしまうからです。

その点、PASONAの法則は、
ブログの1記事や1通のメルマガでは、
率直な「問題提起」から話を展開出来るので、
わりとライトな感じで話に引き込んでいく事が出来ます。

それこそ情報商材のレビュー記事などは、
変にAIDMAの法則やQUESTの法則にあてはめず、
PASONAの法則を意識して書くようにすれば、
あまり売り込み色の強くない形で話を切り出せます。

そういった点で、PASONAの法則は、
セールスレターにはあまり適していない法則ですが
ブログやメルマガの原稿を書いていく際などには
非常に使い勝手の良い有効な法則だと思って頂いていいと思います。

むしろ多いに活用してください。

逆にブログやメールマガジンが
AIDMA、QUESTになっている人は
ちょっとその切り口を変えた方がいいかもしれませんね。


QUESTの法則、AIDMAの法則、PASONAの法則。総括


ちょっと長くなりましたがこの3つの法則を扱っているブログで、
私のブログほどそれぞれを的確に紹介したものは、
私の知る限りでは「無い」と思います。

大半、何となく「通説で言われている事」を
そのまま書いているだけという印象なので。

ただ冒頭でもお伝えしたようにこの手の法則は
その「理論構成」が非常に重要です。

今日は少なからずそれを勉強して頂けたのではないかと。

下記、その総括です。

QUESTの法則
マーケティング上、ターゲットが明確なもののセールスレターに有効。
初心者でも無難にそれなりのコピーを作り易い

AIDMAの法則
出来るだけ広い範囲のターゲットを取りたいセールスレターに有効。
ただ切り口によっては難易度が高く上級者向け。

PASONAの法則
冒頭の売り込み色が必然的に弱くなる為、
ブログの記事やメールマガジンに有効。

最後までお読み頂きありがとうございました。

それでは、また次回。

K.Uzaki

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カテゴリー:文章講座

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