行動心理学「保有効果」マーケティング活用
人は新たに何かを手にした時、
その「何か」に対しての価値を手にする前と以後では、
手にした後の方がその評価や価値を高める傾向にあります。
よってその「何か」を手放す際の抵抗感は
その「何か」を手にする前よりの欲求よりも高くなるわけです。
「保有効果」のマーケティング活用1
「返金保証」を大々的に謳っている商品などはこの心理効果を予め見越した上で行っている場合も多く、
その商品がよほどの粗悪品である場合を除いては
人はそれなりの価値を感じられるものを手にした場合、
まずその商品を手放そうとは思いません。
これはこの「保有効果」が働くからです。
ただ裏を返すとこの心理効果は
人の「新しいものへの欲求」を妨げる原因にもなっています。
何故なら、新しい何かを手にしていく欲求やメリットよりも、
今、手にしている何かを手放していく事への抵抗やデメリットの方が
大抵の場合、その人の心理に大きく働いているからです。
新たな商品やサービスに手を出していく事よりも
今手にしているものを現状維持したい気持ちの方が強いという事。
マーケティング等を仕掛けていく時は基本として人間心理に対し、
このような作用が働いている事を見越していく必要があります。
「保有効果」のマーケティング活用2
よってこの「保有効果」は既存の顧客を囲い込み、継続的なリピーターを作り出していく際は
あえてこの心理効果を存分に引き出していく事が有効になります。
もともとその商品やサービスを継続的に利用する事に対し、
メリットを感じているような顧客を相手にするのですから、
その感覚を更に後押ししていくようなサービスや提案を出していくと、
彼等の保有意識は更に強いものになっていくからです。
新規顧客の獲得にはこの心理効果は妨げとなりますが、
一度顧客を手にしていった際にこの心理効果は見方に変わります。
新規顧客を手にしていく事の苦労に対し、
いかにリピーターを維持する事が重要になってくるか。
ビジネスの本質の一端が垣間見える心理作業と言えるのではないでしょうか。
携帯電話会社、保険会社などは日々この心理作用と奮闘しているわけです。
それだけに是非彼等のマーケティング手法を見習ってみてください。
K.Uzaki
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2014年1月27日 | コメントは受け付けていません。 |
カテゴリー:行動心理学