コピーライティングにおける写経の意味と効果について。

宇崎です。

今日はコピーライティングにおける「写経」について、
その意味と効果を言及した講義を改めて行っておきたいと思います。

一応、この「写経」をテーマにした講義は、
このブログでも過去に一度、行っているのですが、
前回の講義はどちらかと言うと、

「もしも実際に写経をやるとするなら・・・」

という事を前提とした講義内容になっていました。

前回の講義:コピーの勉強に「写経」は有効か

そんな前回の講義内容に対して、
今日はもう少し「根本的な視点」から
その意味や効果について講義していきたいと思います。

コピーライティングにおける写経の意味と効果について。


前回の講義でもお伝えしている通り「写経」は

既存のコピーやセールスレターをそっくりそのまま書き写していく

という行為で、もともとは仏教の経典を書写する行為を指していた言葉が、
何故かコピーライティングの勉強法、鍛練法の1つとして、
そのままの言葉を用いてそう言われるようになっている模様です。

そして、比較的、多くのコピーライティングを勉強されている方が
この「写経」を有効なもの、重要なものと捉えているようで、
このブログや私のメルマガの読者さんからも結構な割合で、

「写経にお勧めのセールスレターやコピーがあれば教えてください]」

というようなご相談を頂いている傾向にあります。

それだけ多くのコピーライティングの教材や書籍などが、
この「写経」を有効な鍛練法、勉強法として取り上げている為、
多くの人が実際にそれをそのまま真に受けて捉えているわけです。

ですが、私や私の師匠が捉えるコピーライティング論においては、
この「写経」は決してそこまで優先順位が高いものではなく、
少なくとも1からコピーライティングを勉強するという段階では、

「さほど有効な鍛練法、勉強法とは言えないものである」

という考えを持っています。

前回の「写経」についての講義では、

「どうせ写経をするなら、コピーライティングの原理原則を押さえた
 本当に高い反応や成約を取れているコピーを対象に行うべき」


という事をお伝えさせて頂きましたが、これはあくまでも

「いざ写経をやるとするなら」

という事を前提とする話であって、この「写経」自体については、
少なくとも初期段階のコピーライティングの勉強法、鍛練法としては、
強いて優先的に行っていくべきものではないというのが私達の考えです。

そして、その「理由」をほぼ集約しているものが、
以前にも一度このブログで取り上げている

「インプットが重要か、アウトプットが重要か。」

というテーマによる以下のライティング講義です。

>インプットが重要か、アウトプットが重要か

以前、こちらの講義では、コピーライティングの鍛練において、
インプットよりもアウトプットが極めて重要であるという事を
野球の理論武装と実践練習に例えてお伝えしました。

インプットは言わば「理論」や「原則」を頭に入れる事であり、
アウトプットはその「理論」や「原則」を体現していく事を意味しますが
野球選手がどんなに本や書籍を読み漁って「理論」だけを詰め込んでも、
まずヒットもホームランも打てるようにはなれません。

そこに実践的な練習や鍛練(アウトプット)が伴っていかなければ、
やはり、そのような「結果」を形に残していく事は出来ないと思います。

対して理論の詰め込み(インプット)よりも、
一心不乱に実践的な練習(アウトプット)を積んだ選手は、
その練習量に応じてヒットやホームランを打てる
言わば「良い選手」になっていくものではないでしょうか。

机上の勉強(インプット)ばかりを徹底している選手と
実践的な練習(アウトプット)を徹底している選手。

どちらの選手の成績が良い傾向になっていくかは、
とくにこれ以上、言及する余地も無いところかと思います。

そしてこれは「コピーライティング」においても同じであり、
どんなにその理論を頭に詰め込んでいっても、
まず「成果に繋がるコピー」を書けるようにはなれません。

やはり、実際にコピーを書いていく「アウトプット」が
そのスキルの向上には必要不可欠であるという事です。

・ただ机上の理論を詰め込んでいるだけのコピーライター

・実際にコピーを書いてその「反応」を自ら確認し、
 そのトライ&エラーを繰り返しながら
 自身のコピーや文章を洗練させているコピーライター


このどちらのライターが「良いコピー」を書けるかも、
ほぼ言及する余地無く「後者である」と言えます。

例えそれが「スポーツ」であっても「ビジネス」であっても、
然るべき理論や原則の「実践」という場面においては、
やはりその経験や体験によって体得している「感覚」が重要となり、
その感覚はやはり実践によってしか身に付けられないものなのです。

そして、そのような然るべき「感覚」を身に付けていくには
やはり実践的な「アウトプット」という形で、
その為の然るべき経験、鍛練を積んでいくしかありません。

洗練された「理論」や「原則」を自身に詰め込んでも、
実際にそれらを「実践」の場で活かしていくには、
やはり相応の経験や鍛練を積んでいくしかないという事です。

むしろ適切な理論や原則を「インプット」出来ているなら、
あとは「アウトプットの量」こそが実践的なスキルや
その結果をそのまま左右していく事になります。

その上で、インプットは「質」が重要であり、
対するアウトプットは先立つインプットの質に対して、
その「量」こそがスキルの体得や結果に繋がっていきます。

だからこそスポーツにおいても、ビジネスにおいても、
最終的に力を入れて徹底していくべきは、

「インプットよりもアウトプット」

なのです。


「写経」はインプットか、アウトプットか。


ここで話を「本題」に戻しますが、
今回、主題として取り上げている「写経」は、

既存のコピー、文章をそのまま書く(書き写す)行為

である為、一見はアウトプットに相当するものに思えるかもしれません。

ですが、実際のところ写経はインプット寄りの鍛練法であり、
コピーライティングの観点においてはほとんど、
アウトプットを前提とする実践的な効力を得られない傾向にあります。

というのも「写経」という行為は、
既存の文章を書き写す事に集中力と労力を割く行為であって、

「文章そのものを1から生み出し、作り出す行為では無い」

というのが、その実状だからです。

そして、コピーライティングにおける「アウトプット」は、
ただキーボードを打ちこんでいきながら、
決められた文章を書く(書き写す)行為を指すのではなく、

「1から自分の文章を生み出し、作り出していく行為」

を指します。

つまり「写経」によって行っていく行為は、
何ら文章を1から生み出し、作り出す行為には該当しない為、
これは全く持って「アウトプットにはならない」のです。

強いて「写経」によって身に付けられるものは、
あくまでもその「既存の文章」における

・文章の流れ、構成
・言葉運び、言い回し


などであって、これはあくまでもそういったものを、
文章を書き写しながら「インプット」している行為と変わりません。

勿論、それ自体が無意味なものとは言いませんが、
先程の「野球選手の事例」でもお伝えした通り、
そのようなポイントのインプットなかりを重ねても、
やはり本質的なスキルの向上には繋がらないわけです。

当然、本質的なスキルを向上出来なければ、
実際に成果を上げられるコピーや文章を作る事も出来ません。

そこにはやはりアウトプットによる鍛練が必要不可欠になってきます。

故に私達はそこまで「写経」自体をコピーライティングの鍛練において、
そこまで優先順位や有効性が高いものとは捉えていません。

その然るべき原理原則を的確に押さえられたコピー、文章を対象にすれば、
それらを、ある程度は感覚的に「インプット」出来る余地はありますが、

それ以上に力を入れるべきは実際に自らコピーや文章を書き上げ、
その反応を見て精度を高めていくアウトプットの方である


だという事です。

もしも「写経」の有効性や優先順位を過大に捉えていたようであれば、
そこに費やす労力と時間を押さえるようにした上で、

「1から自分のコピーや文章を生み出し、作り出していく」

という「アウトプット」の方に力を入れていくようにしてください。


写経の効果、有効性についての追加補足。


尚、これも以前に講義したテーマで、

コピーライティングに必要な能力

として、私と師匠は以下の3つの能力を挙げています。

1:常に相手(読み手)の心理を的確に読み取れる能力
※ターゲットが潜在的にどんな情報、メッセージを欲しているか

2:その相手に対し、伝えるべきメッセージを的確に選び出す能力
※ターゲットにどんな情報、メッセージを与えるべきか

3:そのメッセージを的確に文章に出来る能力
※一般的にコピーライティングと言われているスキルはほぼこれに集約

然るべき原理原則を押さえられているコピーや文章を
その「対象」に出来ているとした上で
写経で身に付くであろう実質的なスキルは「3」の一部にあたる、

「文章の構成や流れ、その言葉運び」

などです。

ただ、実際のところコピーライティングで重要なのは
先立つ「1」「2」の方であると言えますので、
この観点でも「写経」の有効性や優先順位は
やはりそこまで高いものとは言えません。

この「3つの能力」についての講義は、
以下の講座でも詳しく解説していますので、
今回の「写経」についての補足講義と併せて参考にしてみてください。

>コピーライティングに必要な3つの能力

K.Uzaki

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カテゴリー:コピー勉強法

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